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2008年05月15日

 ■ 爪を切った

爪を切っていて、ある事に気づいた。

“人は足の爪を切る時、どうしても哀愁が出てしまう”

ふと、爪切りを操る自分の姿を俯瞰で見てみたのだ。

手の爪を切る時はどうということないのだが、足の爪を切ろうと背中を丸めた瞬間から、どっと哀愁が溢れ出ている。

「あー、出てる…。俺、今、哀愁出てるわ…。」

丸まった背中。
おそらく哀愁はそこから出るのだ。しかも、年長の男性ほどよく出る。(小学生の頃はあまり出ない。)

ちょっと想像してみて欲しい。

「新聞紙を広げ、黙って爪を切っている福田総理」

…凄い哀愁だ。哀愁が支持率を上回っている。
しかし、若い女性の中にも、なかなかの哀愁を出す人物がいる。

「つけっぱなしのテレビに目もくれず、夢中で足の爪を切っている島崎和歌子」

おそらく傍らには缶チューハイが置かれているだろう。なんとも切ない、いい哀愁じゃないか。
では、これはどうだろう?

「初めて見る日本の爪切りに、戸惑いを隠せないアフリカの人」

海外の爪切りがどういう形状かわからないが、おそらく我々が使っているものとは違う。
きっと途方に暮れて、遠いアフリカの大地を想うに違いない。哀愁混じりに。(だが数年後、祖国へのお土産に日本の爪切りを買い求める彼の姿が…。)
ならばこういうのはどうだ?

「東京ドームに大勢の人が集まり、一斉に爪を切る」

…これはさすがに哀愁が無い。ダメ。大勢はダメ。
哀愁は孤独な背中に宿る。だから大勢はダメ。


余計なことを考えていて、随分と爪を切るのに時間がかかってしまった。
特に意味の無い時間だ。

だが、またしばらくすると哀愁たっぷりに爪を切る日がやってくる。

繰り返される無駄な時間。
人は哀愁から逃れることができない。

女の人がマニキュアを塗るのは、その哀愁を隠すためだろうか…?

投稿者 n-houkou : 2008年05月15日 23:20

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