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2007年10月05日

 ■ 『血と骨』と棒

お通夜に棒を持ってやってくるビートたけし。

こんにちは。向田です。
映画『血と骨』を観ました。ご覧になった方も多いと思いますが、とても面白い映画でした。

家族にも他人にも容赦無く暴力を振るう在日朝鮮人の男(ビートたけし)。映画はこの男の半生を息子(新井浩文)の視点で描くのですが、その暴力の容赦無さがとにかく半端じゃありません。DVのレベルを超えています。あまりに酷過ぎてちょっと笑ってしまいます。

冒頭に挙げたシーンは、中でも特に印象的でした。
娘(田畑智子)が夫の暴力に耐えかねて自殺し、そのお通夜に現れたビートたけしが娘婿(寺島進)をボコボコにするというシーンです。止めに入った親戚や近所の人たちもボコボコです。
棒を片手にやって来るなり、「娘はどこだ!」と叫ぶビートたけし。その鬼気迫る表情におののき、必死に場を取り繕いながら遺体の前へと案内する寺島進。案内されている間もずっと、ビートたけしの手には棒が握られています。

これはいいコントです。
お通夜に棒を持った男が来る‥。なんだか、ワクワクするような設定です。

それに加えて、この棒がいい棒なのです。
警察官の警棒をイメージしてもらえば近いと思うのですが、長さ、太さ、固さ、色、質感、全てが絶妙な棒なのです。それがまた、ビートたけしの手に見事にフィットしている‥。あの場面においてベストな棒(ベストスティック)なのです。もしも日本アカデミー賞に棒部門があったなら、間違いなく栄冠を手にしていたことでしょう。スタッフもよくぞあんな棒を見つけたものです。

ああ、もう一度あの棒が見たくなってきました‥。
今度は、あの棒が主役だというつもりで観てみようと思います。ビートたけしやオダギリジョー、鈴木京香らの熱演は、あの棒への前フリとして観るのです。

機会があれば皆さんも是非観てみてください。
ここでは触れませんでしたが、父と子でお互いが住んでいる家を壊し合うシーンが一番面白いです。
そのシーンに棒が出てないのが残念です。

投稿者 n-houkou : 2007年10月05日 00:28

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